人間の寿命について

冒頭でもお話しましたが、人がもっている生物学的絶対寿命は人の細胞構造から「125年」といわれています。人間は昔から「永遠の命」不老長寿もしくは不老不死のためにあらゆる努力を尽くしてきました、しかしそれはSFやオカルトの世界の話であって、現実には今の人間社会にはありえないことです。人は自分の一生を通していろいろなものごとを学びそして次の世代に伝え、いろいろな文化が継承されてきました、自分一人のことを考えれば不老不死は羨ましいことかもしれませんが、もし世の中の人すべてが不老不死になったらどうでしょう。文化が継承されることはおろか、人には世代感がなくなり、子孫繁栄もなく、おそらく社会的構造自体がおかしくなってしまうことでしょう。幸いにして不老不死は現在ありえていないことですが、この先も決してあってはならない事だと思います。
  ではまず人の生物学的絶対寿命についてちょっとさわりの部分だけ書き記して行きましょう。成人の体は約60兆個もの細胞から成り立っています。その細胞にはいくつかの種類がありますが、大部分の細胞は細胞分裂を繰り返し行い最後には「老化細胞」としてその任を終えます。その細胞分裂が行われる際に「テロメア」という名の回数券切符みたいなものを必ず一枚づつ使っています。人はその回数券(テロメア)が50枚といわれています。この周期計算から「125年」という数字がはじき出されています。先ほども話したように50回の細胞分裂を終えた細胞は「老化細胞」として最後には死滅します。それをアポトーシスといいます。 人は50回の細胞分裂が終わったところで老化の最終段階に入り、そして死していきます。
  しかし、殆どの人は、この順当な細胞分裂を終える前にある細胞が死滅したり、異型細胞化したりして50回の細胞分裂を全うできません。それどころか異型細胞化した細胞によって様々な疾患を起こし たりします。その代表例が「ガン」です。